保育料は無償になったのに、園からは毎月4,000円台の請求が届く。副食費です。そして自治体の案内にある「年収360万円未満相当の世帯は免除」を読んで自分の年収を計算しても、該当するかどうかの答えは出ません。
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先に結論を書きます。副食費の免除判定に使うのは年収ではなく市町村民税所得割額で、基準の線は57,700円と77,101円の2本あります。どちらが自分に適用されるかは世帯の状況と認定区分で変わります。そしてふるさと納税や住宅ローン控除で、この判定に使う金額が下がることはありません。「年収360万円未満相当」は、この所得割額をおおまかな年収に読み替えた表現にすぎません。
(2026年8月時点の情報です。副食費の徴収免除は国の基準に基づきますが、独自の上乗せ助成を行う自治体もあるため、実際の適用はお住まいの市区町村の案内が基準になります。)
保育料が無償でも、副食費は残る
3〜5歳児クラスの保育料は無償化の対象です。ただし無償になるのは保育料そのもので、食材料費・通園送迎費・行事費などは保護者負担のまま残ります。
食材料費は主食費(米やパン)と副食費(おかず・おやつ)に分かれ、このうち副食費は月額4,500円程度を目安に園が設定しています。0〜2歳児クラスでは食材料費が保育料に含まれているため、請求が別立てで見えるようになるのは3歳児クラスに上がったあとです。無償化で保育料の引き落としが止まった月に副食費の請求が始まるため、負担が増えたように見えることもあります。
判定に使うのは年収ではなく、市町村民税所得割額
副食費の免除判定に使うのは、住民税の決定通知書に載っている市町村民税所得割額です。父母の金額を合算し、同居している祖父母などが扶養義務者にあたる場合はその分も加えて判定する自治体があります。
年収は使いません。同じ年収でも、共働きか片働きか、扶養親族が何人いるか、社会保険料がいくらかで所得割額は変わります。世帯年収400万円でも免除に該当することがあり、350万円でも該当しないことがあります。
線は2本ある:57,700円と77,101円
ここが最も誤解されやすい部分です。案内文はどちらも「年収360万円未満相当」と書かれているのに、実際に当てはめる金額が違います。
保育所を利用している場合(2号認定)
一般の世帯は所得割額の合算が57,700円未満で免除の対象になります。ひとり親世帯、または在宅の障害者がいる世帯などは77,101円未満まで広がります。
幼稚園・こども園の教育部分を利用している場合(1号認定)
こちらは一般の世帯でも77,101円未満が基準です。つまり同じ所得の家庭でも、子どもが保育所に通っているか幼稚園に通っているかで結論が変わります。
所得割額が6万円の世帯を例にすると、保育所なら57,700円を超えているため対象外、幼稚園なら77,101円未満なので対象、という分かれ方をします。園を移った年に免除が付いたり外れたりするのは、この線の違いによるものです。
「年収360万円未満相当」という表現が、判断を止めてしまう
自治体の案内で「年収360万円未満相当」と書かれているのは、所得割額をモデル世帯の年収に換算した目安です。換算の前提は世帯構成によって変わるため、自分の年収と比べても意味がありません。
確認すべき数字は、毎年5〜6月に届く住民税の決定通知書に載っている所得割額の1点です。年収の計算は不要で、通知書の該当欄を父母それぞれ見て足し、上の2本の線と比べれば結論が出ます。
副食費は月4,500円前後でも、3歳児クラスから就学前までの3年間で16万円ほどになります。免除の対象外だと分かった時点で、この金額は動かせない固定費として組み込むことになります。動かせる側の固定費がどこに残っているかを先に確認しておくと、3年分の見通しが立てやすくなります。保険マンモスの無料相談で家計全体の見直しを予約する →
ふるさと納税や住宅ローン控除では、この判定は下がらない
副食費の免除判定に使う所得割額は、調整控除以外の税額控除を適用する前の金額です。具体的には住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)、寄附金税額控除(ふるさと納税)、配当控除、外国税額控除などが適用されません。
実際に納める住民税がふるさと納税で下がっても、副食費の判定に使う数字は下がりません。これは保育料の階層判定と同じ考え方で、翌年の負担を軽くする目的でふるさと納税の枠を増やしても、副食費には効かないということになります。
政令指定都市は税率を計算し直して判定する
政令指定都市では市町村民税所得割の税率が6%から8%に変わっていますが、副食費の免除判定では変更前の6%で計算し直した額を使います。通知書に載っている数字そのままで判定すると、実際より高く出ることになります。該当する市にお住まいの場合は、窓口の案内で計算後の金額を確認するのが確実です。
第3子以降のカウントは、保育料の多子軽減とは別の基準
所得の線に届かなくても、きょうだいの人数で免除になる経路があります。ただしここでの数え方は、保育料の多子軽減の数え方とは別ルールです。
副食費では、幼稚園などの1号認定は小学校第3学年修了前までの子を数え、保育所などの2号認定は小学校就学前かつ施設を利用している子を数えます。数える範囲が違うため、同じ家庭でも上の子の通い先によって「第3子」になったりならなかったりします。
保育料側の数え方は条件が6通りに分かれるため、保育料が2人目なのに半額にならない6つの理由で個別に整理しています。
判定に使う年度は、9月に切り替わる
副食費の免除判定も保育料と同じく、4〜8月分は前年度、9月〜翌年3月分は当年度の市町村民税所得割額を使います。9月に基準となる年が1年進むため、収入が増えた年の翌年9月に免除が外れることがあります。
この切替の仕組みは保育料が9月に上がるのはなぜ?で詳しく書いています。免除通知が届く時期も自治体によっては9月前後になります。
該当しそうなときに、実際にやること
免除は自動で判定される自治体が多い一方、税情報が確認できないと判定そのものができません。収入がなかった年でも住民税の申告をしていないと、判定に必要な数字が役所側に存在しない状態になります。
育児休業中や求職活動中で収入が0円だった場合も、申告があれば判定できます。心当たりがある場合は、園ではなく市区町村の子育て支援担当に問い合わせるのが早い経路です。免除に該当する場合のみ通知を送る運用の自治体もあるため、通知が来ないことが「対象外の確定」を意味するとは限りません。
まとめ
- 副食費の免除判定に使うのは年収ではなく、父母を合算した市町村民税所得割額
- 線は2本。保育所(2号認定)の一般世帯は57,700円未満、ひとり親・障害者のいる世帯や幼稚園(1号認定)は77,101円未満
- ふるさと納税・住宅ローン控除・配当控除は判定に反映されない
- 政令指定都市は税率6%に計算し直した額で判定する
- 第3子以降のカウントは、保育料の多子軽減とは数える範囲が違う
- 判定に使う年度は9月に切り替わるため、免除が外れる月は9月になりやすい
よくある質問
Q. 世帯年収が360万円より低いのに、副食費が免除になりません
判定に使うのは年収ではなく市町村民税所得割額です。年収が低くても、扶養親族が少ない、社会保険料控除が小さいなどの条件が重なると所得割額が線を超えることがあります。住民税決定通知書の所得割額を父母それぞれ確認して合算した金額で判断します。
Q. ふるさと納税を増やせば副食費の免除に届きますか
届きません。副食費の免除判定では、寄附金税額控除を適用する前の所得割額を使います。実際に納める住民税は下がっても、判定に使う数字は変わりません。
Q. 上の子が幼稚園、下の子が保育園ですが、数え方はどうなりますか
副食費のカウントは認定区分ごとに範囲が違い、1号認定は小学校第3学年修了前まで、2号認定は小学校就学前かつ施設を利用している子を数えます。きょうだいで通い先が分かれている場合は、それぞれの子について別々に判定されることになります。
Q. 免除の通知が来ませんでした。対象外ということですか
対象外とは限りません。免除に該当する場合のみ通知を送る自治体がある一方で、税情報が確認できず判定が保留になっている場合もあります。収入が0円だった年に住民税の申告をしていないケースが典型です。市区町村の子育て支援担当に確認すると状況が分かります。

