公立の学童保育は、保育料より安いことがほとんどです。月に数千円という自治体も珍しくありません。それなのに、小学校に上がった年に家計が苦しくなる世帯があります。
※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。
理由は学童の料金ではありません。保育園時代に付いていたものが同時に消え、さらに短時間勤務などの法的な後ろ盾がそこで切れるためです。
この記事は、費用そのものより「何が消えるか」を整理します。保育園の食費の建て付けは給食費の記事にまとめています。
結論:学童は安い。消えるものが多いだけ
- 公立学童の利用料は、保育料より安いことが多い
- 給食が無くなる。長期休みは毎日の弁当になる
- 預かり時間が短くなる。保育園の延長より早く終わる自治体が多い
- そして短時間勤務やテレワークが、法律上の対象から外れる
4つ目がいちばん見落とされます。順に見ていきます。
給食が消える。長期休みは毎日が弁当になる
保育園では給食が出ていました。3歳児クラス以降は主食費と副食費を実費で払っていましたが、用意する手間はありませんでした。
公立の学童は、昼食の提供がない自治体が多くなります。学校がある日は給食があるので問題になりませんが、夏休み・冬休み・春休みは毎日の弁当になります。
金額として大きいというより、朝の時間が消えることのほうが効きます。業者弁当を注文できる学童も増えていますが、対応は自治体と運営主体によって分かれます。
預かり時間が短くなる
保育園の延長保育は19時台まで対応する園がありますが、公立学童は18時や18時半で終わる自治体が多くなります。お迎えの締め切りが前に動くということです。
ここで民間学童を併用する選択が出てきます。民間学童は時間が長く送迎が付くこともありますが、月額は公立学童の数倍になります。「学童は安い」という前提が崩れるのはこの分岐です。
短時間勤務やテレワークの法的な対象は、小学校就学前で切れる
ここが制度側のいちばん大きな段差です。
2025年10月1日施行の改正育児・介護休業法で、3歳以上・小学校就学前の子を養育する労働者に対して、会社は次の5つから2つ以上を制度として用意し、労働者が1つを選べるようにすることが義務づけられました。
- 始業時刻等の変更(フレックスタイム制・時差出勤)
- テレワーク等(月10日以上利用できるもの)
- 保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与
- 養育両立支援休暇の付与(年10日以上)
- 短時間勤務制度(原則1日6時間)
また、2025年4月からは所定外労働の制限(残業免除)の対象が、3歳未満から小学校就学前まで拡大されています。
いずれも「小学校就学前」まで
制度が手厚くなった一方で、対象年齢の上限は小学校就学前のままです。入学した4月からは、これらを法律上の権利として求めることができなくなります。
預かり時間が短くなり、長期休みの負担が増えるのと同じタイミングで、働き方を調整する法的な根拠が外れる。費用の問題に見えて、実際には時間と制度の問題です。
唯一伸びたのは子の看護等休暇
2025年4月の改正で、子の看護等休暇の対象が小学校3年生修了までに広がりました。取得理由にも学級閉鎖や入園式・卒園式などが加わり、時間単位での取得もできます。
入学後に法律上使えるものとして残るのは、実質ここが中心になります。
働き方を変えるなら、入学の前に選択肢を見ておける
制度の側でここまで段差があるので、小1の壁で実際に動くのは働き方のほうになります。お迎えが18時になり、長期休みは朝から預けることになると、いまの勤務形態が合わなくなる世帯が出ます。
在宅や時短の求人は、探し始めてから決まるまでに時間がかかります。入学の直前に動くと選択肢が少なくなるので、そうなる可能性がある時点で市場を見ておくと、判断の材料が増えます。
ママワークスで在宅・時短の求人を見る(会員登録すると応募できる求人が増える)
ただし、動く前に確認しておくことがあります。法律上の後ろ盾は小学校入学で切れますが、会社の制度がそこで終わるとは限りません。
会社の制度は、法律の上限より広いことがある
法律が定めているのは下限です。短時間勤務を小学校3年生まで、あるいは小学校卒業まで認めている会社は珍しくありません。
就業規則の育児関係の条項に、対象となる子の年齢が書かれています。法律の条文ではなく自社の規程を見ないと、使えるかどうかは分かりません。
もし勤務先の制度が小学校就学前で切れている場合、2025年10月の改正で新しく整備された5つの措置のうち、どれが自社で選べるようになっているかは確認する価値があります。制度は入っていても周知が届いていないことがあるためです。
入学の前に確認できる3か所
- 就業規則の育児関係の条項。短時間勤務とテレワークの対象年齢がどこまでか
- 学童の申込要件と終了時刻。延長の有無、長期休みの開始時刻、昼食の扱い
- 民間学童の月額と送迎の範囲。公立と併用する場合の実額
3つとも入学の前に分かります。学童の申込は秋から冬にかけて締め切る自治体が多いので、就業規則の確認だけでも先に済ませておくと、選択の順番を間違えにくくなります。
まとめ
- 公立学童の利用料は保育料より安いことが多く、費用そのものが原因ではない
- 給食が無くなり、長期休みは毎日の弁当になる
- 預かり時間が短くなり、民間学童を併用すると月額が数倍になる
- 2025年10月施行の柔軟な働き方の措置も、残業免除も、対象は小学校就学前まで
- 子の看護等休暇だけが小学校3年生修了まで伸びた
- 会社の制度は法律の上限より広いことがある。就業規則の対象年齢を先に見る
よくある質問
Q. 学童は保育園より安いのに、なぜ家計が苦しくなるのですか
利用料そのものは安いことが多く、原因は費用以外にあります。給食が無くなって長期休みは毎日の弁当になり、預かり時間が短くなるため民間学童の併用が必要になる場合があります。さらに勤務先の両立支援制度が法律上は小学校就学前で対象外になります。
Q. 短時間勤務は小学校に入ってからも使えますか
法律上の義務の対象は小学校就学前までです。ただし会社が独自に小学校3年生まで、あるいは卒業まで認めていることは珍しくありません。就業規則の育児関係の条項に対象となる子の年齢が書かれています。
Q. 2025年10月の法改正で何が変わりましたか
3歳以上・小学校就学前の子を養育する労働者に対して、始業時刻等の変更、テレワーク等、保育施設の便宜供与、養育両立支援休暇、短時間勤務制度の5つから2つ以上を会社が用意し、労働者が1つを選べるようにすることが義務づけられました。個別の周知と意向確認も義務です。
Q. 入学後も法律上使える制度はありますか
子の看護等休暇は2025年4月の改正で対象が小学校3年生修了まで広がりました。取得理由に学級閉鎖や入園式・卒園式などが加わり、時間単位でも取得できます。
Q. 学童の昼食はどうなりますか
公立の学童は昼食の提供がない自治体が多く、長期休みは弁当を持たせることになります。業者弁当を注文できる学童も増えていますが、対応は自治体と運営主体によって分かれます。

