子どもが生まれたら生命保険はいくら必要?必要保障額の出し方【2026年版】

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子どもが生まれたら生命保険はいくら必要なのか——。出産後のあわただしい時期に保険ショップへ行くと、「お子さまのために、まずは3,000万円ほど」といった提案を受けることが少なくありません。しかし、その金額の根拠を自分で確かめたことはあるでしょうか。

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2026年のいま、物価高で毎月の生活費の前提は上がる一方、遺族年金の額も2026年度(令和8年度)に1.9%引き上げられました。さらに2028年4月からは遺族厚生年金の仕組みが段階的に見直されることが決まっており、「保険は公的保障の不足分だけ買う」という基本が、これまで以上に大事になっています。

先に結論をお伝えすると、必要な死亡保障額(必要保障額)は「遺された家族の支出 − 遺された家族の収入」という引き算で決まります。会社員・子ども2人のモデルケースで試算すると、目安はおよそ1,000万〜1,500万円。世帯の死亡保険金の平均1,936万円(生命保険文化センター2024年度調査)より小さくなるご家庭も珍しくありません。本記事では、その引き算のやり方を2026年度の公的データで順番に見ていきます。

子どもが生まれたときの生命保険は「引き算」で決まる

必要保障額の式はシンプルです。

必要保障額 = 遺族の支出(生活費+教育費+住居費など) − 遺族の収入(遺族年金+配偶者の収入+貯蓄など)

支出側で大きいのは日々の生活費と教育費、収入側で見落とされがちなのが遺族年金です。この引き算をせずに「平均だから」「営業担当者のおすすめだから」と金額を決めると、保障が過大になって保険料を払いすぎたり、逆に不足したりします。まずは収入側の柱、遺族年金から確認します。

遺族年金は2026年度でいくらもらえる?

国民年金の被保険者などが亡くなり、18歳到達年度末までの子がいる場合、配偶者は遺族基礎年金を受け取れます。2026年度(令和8年度)の額は次のとおりです(日本年金機構)。

世帯構成 年額 月額の目安
配偶者+子1人 1,091,100円 約9.1万円
配偶者+子2人 1,334,900円 約11.1万円
配偶者+子3人 1,416,200円 約11.8万円

基本額847,300円に、子の加算(第1子・第2子は各243,800円、第3子以降は各81,300円)を足した金額です。

亡くなった方が会社員・公務員なら、さらに遺族厚生年金(老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3)が上乗せされます。たとえば平均標準報酬額35万円・加入期間300月みなしで計算すると、35万円×5.481/1000×300月×3/4≒年約43万円。子2人世帯なら遺族基礎年金と合わせて月約14.7万円が公的保障だけで入ってくる計算になります。

2028年からの制度改正はどう影響する?

ニュースで話題の「遺族厚生年金の5年有期化」は2028年4月から段階的に始まりますが、対象は主に子のない配偶者です。18歳到達年度末までの子がいる間は改正後も従来と同様の給付が受けられます(厚生労働省)。子育て世帯にとって遺族年金が頼れる柱であることは、改正後も変わりません。

支出側の最大変数は教育費——最新の公的データ

次に引き算の「支出」側です。文部科学省の令和5年度「子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校まで15年間の学習費総額は、すべて公立で約596万円、すべて私立で約1,976万円と3倍以上の差があります。

大学は、国立なら標準額で授業料535,800円×4年+入学金282,000円=約243万円。私立は令和5年度の平均で授業料959,205円・入学料240,806円・施設設備費165,271円で、4年間の目安は約470万円(文系・理系で差があります)。高校まで公立中心+私立大学というよくある進路でも、子ども1人あたり約1,100万円を見込むことになります。進路別の合計額は教育費の総額まとめで詳しく整理しています。

モデルケースで試算:会社員の夫・妻・子2人の場合

末子が独立するまでの約20年間で、ざっくり引き算してみます(持ち家・住宅ローンは団体信用生命保険で完済される前提)。

遺族の支出 金額
生活費 月20万円×20年 約4,800万円
教育費 子2人(高校まで公立+私立大学) 約2,100万円
住居費(団信でローン完済のため) 0円
葬儀費・予備費 約300万円
支出合計 約7,200万円
遺族の収入 金額
遺族年金 月約14.7万円×約17年(末子18歳まで) 約3,000万円
配偶者の就労収入 手取り月10万円×20年 約2,400万円
現在の貯蓄・死亡退職金など 約500万円
収入合計 約5,900万円

差し引きの不足額は約1,300万円。これがこの家庭の必要保障額の目安です。賃貸住まいなら住居費が支出に乗る一方、配偶者がフルタイムで働き続けるなら収入が増えて必要額は大きく下がります。つまり「正解の金額」は家庭ごとに違い、共働きが多い今は平均値より小さくなるケースが増えています。

わが家の数字を出してみる

共働き世帯は「夫の死亡保険」だけ考えると足りなくなる

保険会社のモデルケースは、夫が主たる稼ぎ手で妻が扶養に入っている前提で作られていることが多く、共働き世帯にそのまま当てはめると金額を見誤ります。ずれる理由は2つあります。

1. 遺族厚生年金は妻が亡くなった場合に出にくい

夫が亡くなった場合、妻と子には遺族基礎年金と遺族厚生年金が出ます。ところが妻が亡くなった場合、子のいる夫にも遺族基礎年金は出ますが、遺族厚生年金には年齢要件があり、受け取れないケースがあります。

つまり同じ収入でも、妻が亡くなったときのほうが公的保障の穴が大きくなりやすいということです。「妻は稼ぎが少ないから保険は小さくていい」という判断は、この非対称を見落としています。引き算の式は、夫と妻それぞれで別々に計算してください。

2. 残されたほうの働き方が変わる

共働きで回している家庭は、保育園の送迎、病児対応、家事を2人で分担している前提で成り立っています。片方が亡くなると、残ったほうは時短勤務に切り替えたり、シッターや家事サービスを買ったりする必要が出てきます。

収入が2馬力から1馬力に減るだけでなく、その1馬力も従来どおりには稼げなくなる。ここを見込んでいないと、必要保障額を小さく見積もることになります。目安としては、残されたほうの年収が数年間は下がる前提で支出側に上乗せしておくと現実的です。

共働き世帯の死亡保険を決める順番

  1. 夫が亡くなった場合の不足額を、引き算の式で出す
  2. 妻が亡くなった場合の不足額を、遺族厚生年金なしの前提で別に出す
  3. それぞれの不足額に対して、末子が独立するまでの期間で保障を用意する
  4. 勤務先の団体保険や死亡退職金でカバーされる分を差し引く

4番目を飛ばす人が多いのですが、会社員の場合は勤務先の弔慰金や団体定期保険が想定より手厚いことがあります。加入前に就業規則や福利厚生の資料を確認しておくと、民間の死亡保険で買う金額をそのぶん減らせます。

保険の形は「大きく・安く・期間限定」が基本

必要保障額が出たら、次は保険の形です。子育て世帯の死亡保障は、子どもが独立するまでの期間だけ大きな保障を安く持つのが合理的で、毎月一定額を年金形式で受け取れる収入保障保険や定期保険といった掛け捨て型が第一候補になります。貯蓄機能を兼ねた終身保険で同じ保障額を用意すると保険料が大きく膨らみ、物価高で家計が窮屈ないまは特に負担が重くなりがちです。

なお、生命保険の世帯加入率は89.2%(2人以上世帯)と、ほとんどの家庭が何らかの形で加入しています。大事なのは加入の有無ではなく、金額と期間が引き算の結果に合っているかです。すでに加入中の方も、今回の式で保障額を一度点検してみてください。

引き算で必要保障額を出したあと、実際にどの保険で埋めるかは商品ごとに条件が違います。勤務先の団体保険と民間の保険のどちらが安く済むかも、加入している健康保険組合によって変わります。

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加入前に、中立な情報で足場を固める

とはいえ、遺族年金の細かい受給要件や保険商品の型は、初めてだと分かりにくいものです。営業を受ける前に、中立的な立場でお金の知識を整理している公的な情報サイトで基礎を押さえておくと、提案された金額が妥当かどうか自分で判断できるようになります。

まとめ

子どもが生まれたときの生命保険は、平均や勧められるままではなく「遺族の支出−遺族の収入」の引き算で決めるのが基本です。2026年度の遺族年金は子2人世帯で月約11.1万円(会社員ならさらに上乗せ)と意外に手厚く、モデルケースの必要保障額は1,000万〜1,500万円程度に収まりました。まずはご自身の数字で引き算をして、その不足分だけを掛け捨て型で安く備える。それが物価高の時代に保険料と安心を両立させる近道です。

出典

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の保険商品・金融商品の勧誘や投資助言ではありません。制度や金額は今後変更される可能性があります。詳しくは免責事項をご覧ください。

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