保育料が無償なのに給食費を払うのはなぜ?|3歳児クラスで食費の建て付けが変わる仕組み

保育料が無償なのに給食費を払うのはなぜ? ライフプラン

3歳児クラスに上がった4月、保育料が無償になったはずなのに、園から毎月の請求が届く。子育て世帯でよく起きる混乱です。

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制度が変わったわけでも、園が値上げしたわけでもありません。食費の徴収の仕方が、3歳児クラスを境に切り替わるためです。

この記事では、その切り替わりの中身と、免除があるのは副食費だけで主食費には無いという非対称を整理します。無償化がいつから始まるかは誕生日ではなく次の4月からという記事に、副食費の免除の所得の線は副食費の免除の記事にまとめています。

結論:3歳児クラスの4月から、食費の建て付けが変わる

  • 0〜2歳児クラス:食材料費は保育料の中に含まれている。園に別途払うものは無い
  • 3〜5歳児クラス:保育料は無償になるが、主食費と副食費が別建ての実費徴収になる

つまり保育料はゼロになったのに、いままで見えていなかった食費が表に出てきます。

多くの世帯では、差し引きで負担は減ります。0〜2歳児クラスの保育料は所得に応じて月数万円になることがあり、それが無償になる効果のほうが食費より大きいためです。ただし、もともと保育料が低かった世帯では逆になります。住民税非課税などで0〜2歳の保育料がゼロに近かった場合、3歳児クラスから食費だけが新たに発生するので、支払いは増えます。

0〜2歳児クラスでは、食材料費は保育料に含まれている

0〜2歳児クラスの保育料は、世帯の市町村民税所得割額に応じた階層で決まります。そのなかに食材料費が入っています。だから、園から給食費の請求が別に来ることはありません。

ここが「保育園の食費は無料だと思っていた」という感覚の出どころです。無料だったのではなく、保育料に溶け込んでいて見えていなかっただけです。

3歳児クラスからは、主食費と副食費が別建ての実費徴収になる

2019年10月の幼児教育・保育の無償化にあたって、国は「保護者から実費として徴収している通園送迎費、食材料費、行事費などは無償化の対象から除く」という考え方を採りました。

その結果、3歳から5歳までの子どもの主食費・副食費はともに施設による徴収が基本になっています。それまで保育料の一部として集めていた副食費が、無償化に合わせて表に出た形です。

請求してくるのは市区町村ではなく園

保育料は市区町村が決めて市区町村が徴収しますが、主食費と副食費を決めて集めるのは園です。金額も園ごとに違います。同じ市内でも、隣の園と数百円から千円単位で差が出ることがあります。

「保育料が変わった」と思って市役所に聞いても話が噛み合わないのは、そもそも窓口が違うためです。

支払いの形が変わる月は、固定費を見直せる数少ないタイミング

毎月の引き落としは、いちど決まると何年もそのまま続きます。金額が動く月は、気づける数少ない機会です。

3歳児クラスへの進級は、園への支払いだけでなく、下の子の保育料や働き方が同時に動きやすい時期でもあります。世帯の形が変わっているのに保険の契約だけ子どもが生まれる前のまま、という状態はここで表に出ます。

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相談が契約を前提にしているわけではありません。ここから先は、その支払いのうち減らせる部分と減らせない部分の話になります。

免除があるのは副食費だけ。主食費には国の免除制度が無い

ここが見落とされやすい非対称です。

副食費には免除があります。生活保護世帯やひとり親世帯、年収360万円未満相当の世帯、第3子以降が対象です。判定に使うのは年収そのものではなく市町村民税所得割額で、線の引き方は別の記事に書きました。

これに対して主食費には、国の制度としての免除がありません。

副食費が免除された世帯でも、主食費は残る

免除の通知が届いて「給食費がゼロになる」と受け取ると、実際の請求と食い違います。免除されたのは副食費だけで、主食費の請求は続きます。

金額としては月に数百円から数千円で、副食費より小さいことが多い額です。ただしゼロになると思っていたものが残るため、想定とのずれとしては大きく感じられます。

主食費は、自治体と園で扱いが大きく違う

ごはんを持参させる園がある

主食を園で提供せず、家庭からごはんを持ってくる形にしている園があります。この場合、主食費の請求は無い代わりに、毎朝ごはんを詰める手間が発生します。金額の比較だけでは判断できない部分です。

独自に公費で負担している自治体がある

国の制度としての免除は副食費だけですが、主食費や給食費全体を自治体が独自に負担している市区町村があります。ここは完全に地域差で、隣の市に引っ越すと扱いが変わります。

自治体の公式サイトは自分の市の扱いしか説明していないため、引っ越しや転園を考えるときに、比較の材料が見つけにくい費目です。

進級前に確認できる3か所

  1. 園の重要事項説明書または入園のしおり。3歳児クラス以降の主食費・副食費の月額が書かれています
  2. 主食の提供の有無。持参制かどうかで、金額も朝の手間も変わります
  3. 市区町村の独自補助。「給食費 補助」で自治体名と一緒に調べると出てきます。国の制度とは別枠です

3つとも、進級の前に確認できます。副食費の免除に該当しそうな場合は、判定に使う年度が9月に切り替わる点もあわせて見ておくと、途中で金額が動いた理由が分かります。

まとめ

  • 0〜2歳児クラスは食材料費が保育料に含まれ、園への別払いは無い
  • 3歳児クラスから保育料は無償になるが、主食費と副食費が別建ての実費徴収に切り替わる
  • 多くの世帯では差し引きで負担は減るが、もともと保育料が低かった世帯では食費だけが新たに乗るため増える
  • 決めて集めるのは市区町村ではなく園。金額は園ごとに違う
  • 免除があるのは副食費だけで、主食費には国の免除制度が無い
  • 主食を持参させる園や、独自に負担している自治体がある。地域差が大きい

よくある質問

Q. 保育料が無償になったのに、支払いが増えたのはなぜですか

0〜2歳児クラスでは食材料費が保育料に含まれていましたが、3歳児クラスからは主食費と副食費が別建ての実費徴収に切り替わるためです。制度が変わったわけでも園が値上げしたわけでもなく、徴収の仕方が変わっています。

Q. 給食費を請求しているのは市区町村ですか

園です。保育料は市区町村が決めて徴収しますが、主食費と副食費は園が決めて集めます。同じ市内でも園ごとに金額が違うことがあります。

Q. 副食費が免除になれば、給食費はゼロになりますか

なりません。国の制度として免除があるのは副食費だけで、主食費には免除がありません。免除の対象になっても主食費の請求は続きます。

Q. 主食費はいくらくらいですか

園によって違い、月に数百円から数千円で、園による幅が大きい費目です。主食を家庭から持参する形にしている園では、主食費の請求そのものがない代わりに毎日ごはんを用意することになります。

Q. 自治体によって給食費の扱いは違いますか

違います。国の制度とは別に、主食費や給食費全体を独自に負担している市区町村があります。引っ越しや転園で扱いが変わるため、自治体名と一緒に確認することになります。

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出典

大手企業の人事として、給与計算・社会保険・人事システムの導入を担当してきました。標準報酬月額や扶養、育児休業の給付など、家計に直結する制度を運用する側から見てきた立場です。家庭では未就学児2人を育てる共働き世帯で、保育料や教育費は自分ごととして計算しています。制度の話は自治体の要綱や省庁の一次情報にあたり、金額は自分の家計で確かめた範囲で書いています。

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