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2026年10月から、週20時間以上働くパート・アルバイトは、月の賃金がいくらであっても社会保険の対象になります。月8.8万円という賃金の線がなくなるためです。
加入を避けたいと考えて「10月からシフトを減らしてもらおう」と動く人がいます。ただし判定に使われるのはシフト表の実績ではなく、雇用契約書に書かれた時間です。ここを取り違えると、減らしたつもりで10月に加入することになります。
週20時間は「所定労働時間」で判定する
日本年金機構の説明では、週の所定労働時間とは、就業規則や雇用契約書などによって、その人が通常の週に勤務すべきとされている時間を指します。残業のように実際の労働時間が上振れした分は、原則として入りません。
つまり契約が週22時間のままなら、10月のシフトを18時間で組んでも、判定は22時間で行われます。逆に契約が週18時間なら、その月にたまたま22時間働いても、その1か月では加入になりません。
週単位で決まっていない契約は、次のように週あたりに換算します。
| 契約の決まり方 | 週の所定労働時間の出し方 |
|---|---|
| 1か月単位 | 1か月の所定労働時間 ÷ 4.33(52を12で割った数) |
| 1年単位 | 1年間の所定労働時間 ÷ 52 |
| 短期的かつ周期的に変動 | その周期における1週間の平均 |
月87時間の契約なら週20.1時間となり、対象に入ります。「月◯時間」で契約している人は、いま自分が20時間の内側か外側かを、この計算で確かめられます。
判定は10月1日時点の契約。動かすなら9月のうち
賃金要件の撤廃は2026年10月1日からです。その日の時点でどういう契約になっているかで決まります。
契約を変えるには、会社側で雇用契約書または労働条件通知書を作り直す必要があります。シフトの調整と違って、その場で決まる話ではありません。9月のうちに話をしておかないと、10月1日には間に合いません。
所定労働時間を下げるのは、労働契約の変更にあたる
知っておいたほうがよいのは、所定労働時間が労働契約の中身だという点です。労働契約法第8条は、労働者と使用者が合意することで労働条件を変更できると定めています。裏を返すと、合意がなければ変わりません。
これは本来、会社が一方的に条件を下げることを防ぐための規定です。ただし時間を減らしたい場面では逆向きに働きます。会社が「その時間では回らない」と判断すれば、断ることができます。人手が足りない職場ほど断られやすくなります。
頼み方としては、いつから、週何時間に、の2点を先に決めて持っていくほうが通ります。「社会保険に入りたくないので減らしてください」だけでは、会社側が代わりの人員計画を立てられないためです。
勤務先の都合で20時間未満のシフトが確保できない場合は、働く場所を足すか、変えるほうが調整しやすいことがあります。ママワークスの在宅ワーク求人のように時間の刻み方を自分で決めやすい仕事を並べておくと、週何時間で組むかという設計から考えられます。
ただし勤務先を増やす場合は、社会保険の週20時間を勤務先ごとに数える一方で、扶養の130万円は本人の合計で見ます。この数え方の違いはパートの掛け持ちと2026年10月の改正に整理しました。
契約を下げたあとも、働きすぎると入る
もうひとつ落とし穴があります。契約を週20時間未満にしても、実際の労働時間が恒常的に20時間以上になった場合の扱いです。
日本年金機構のQ&A集では、実際の労働時間が週20時間以上である状態が2か月続き、その後も続くと見込まれる場合には、20時間以上となった月の3か月目の初日に被保険者の資格を取得すると説明されています。
つまり「契約は18時間だが、実際は毎週22時間入っている」という状態を2か月続けると、3か月目から加入になります。1か月だけの繁忙なら対象になりません。契約を下げたあとにヘルプで埋め続けると、ここに当たります。
20時間未満に抑えると、年収はどれだけ落ちるか
時間を減らす判断をする前に、落ちる金額を先に出しておくほうが確実です。2026年度は最低賃金が改定されているため、同じ時間数でも時給側が上がっています。週何時間まで働けるかの計算手順は最低賃金の改定と扶養内で働ける時間に書きました。
減らす以外に、逆に増やして手取りの減少分を取り返す選択もあります。どちらを選ぶかは世帯全体の収支で決まるので、時間だけを見て決めないほうがよい場面です。
まとめ
2026年10月の判定に使われるのは、シフト表ではなく雇用契約書の所定労働時間です。契約が週20時間以上のままなら、シフトを減らしても加入します。
変えるなら9月のうちに、いつから週何時間にするかを決めて会社に相談する必要があります。所定労働時間は労働契約の中身なので、会社の合意がなければ変わりませんし、断られることもあります。
そして契約を下げたあとも、実際に週20時間以上働く月が2か月続けば、3か月目から加入になります。契約と実態の両方をそろえて初めて、加入を避けたことになります。
よくある質問
Q. 10月のシフトを20時間未満で組んでもらえば、加入を避けられますか
シフトだけを減らしても、雇用契約書に書かれた所定労働時間が週20時間以上のままなら、判定はその契約の時間で行われます。避けるには契約そのものを変える必要があります。
Q. 契約を変えてほしいと言えば、会社は応じなければいけませんか
応じる義務はありません。労働契約の内容は労使の合意で変わるものなので、会社が「その時間では回らない」と判断すれば断られます。いつから週何時間にしたいかを具体的に示すほうが話が進みます。
Q. 契約を18時間にしたあと、忙しい月に22時間働いたら加入になりますか
1か月だけであれば対象になりません。実際の労働時間が週20時間以上の状態が2か月続き、その後も続くと見込まれる場合に、3か月目の初日から被保険者になる取り扱いです。
Q. 1か月単位で労働時間が決まっている契約は、どう判定しますか
1か月の所定労働時間を、52を12で割った数(およそ4.33)で割って週あたりに換算します。1年単位で決まっている場合は、1年間の所定労働時間を52で割ります。
Q. 勤務先が50人以下なら、契約を変えなくても大丈夫ですか
企業規模51人以上という要件は2026年10月の時点では残るため、50人以下の勤務先では原則として対象になりません。ただし労使の合意にもとづいて任意で適用する事業所になっている場合は対象に含まれます。
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出典
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集(令和6年10月施行分)」
- 労働契約法第8条
- 2025年6月成立の年金制度改正法による短時間労働者の賃金要件の見直し

